研究概要 |
培養PnMEC(peripheral nerve microvascular endothelial cell)を用いたin vitroのBNBモデル作製を試み、ほぼ完成の域に近づいた。孔径0.4μmのcultureinsertにtypeI collagenを塗布したものを用いた。insertの上面にPnMEC、下面に末梢神経神経内膜微小血管由来のpericyteのmonolayerを作製したところ、pericyteはこの膜抵抗を有意に上昇させ、イヌリンの膜透過性を有意に低下させる働きがあることを明らかにした。pericyteはBMEC(brain microvascular endothelial cell)には影響せず、このpericyteの作用はPnMECに特異的なものである可能性が想定される。BBBの機能維持にastrocyteが必須であるのと同様に、BNBの機能発現にpericyteが何らかの重要な意義を持つことを示した最初の実験結果である(Iwasaki,Kanda and Miusawa:J Med Dent Sci 1999,inpress)。 In vitro BNBモデルに対して炎症性ニューロパチーで病態関与が考えられている各種サイトカイン(IL-1β、TNFα、VEGF)を使用、膜抵抗の有意な低下とイヌリンの膜透過性の有意の亢進を確認した。BNBの破壊にこれらのサイトカインの直接関与の可能性を明らかにした最初の実験結果と考えられる。
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