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1998 年度 実績報告書

NF-κBの二面性の機序に関する研究-iNOS誘導調節機構をモデルに-

研究課題

研究課題/領域番号 10670580
研究機関福井医科大学

研究代表者

藤山 二郎  福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (40283171)

キーワード一酸化窒素(NO) / 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS) / アストログリア / トロンビン / スフィンゴシン / NFkB
研究概要

アルツハイマー病等の神経疾患においてNFkBを介しての誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)活性化の重要性が指摘されているが、NFkBには多彩な作用が知られており、その作用の二面性を明らかにすることが必要と考えている。まず第一に、我々はヒトアストログリアにて、インターロイキン1β(IL-1β)による一酸化窒素(NO)産生をトロンビンが抑制する事を報告したが、日本では、ヒトアストログリアを使えないため、ラットアストログリアでトロンビンによるNO産生抑制作用の有無を検討した。その結果、純度の低いトロンビンではNOの産生を促進するが、精製度の高いトロンビンだと影響しない事が判明した。この差異の原因を検討した結果、混在するプラスミノーゲンがインターフェロンγ(IF-γ)との併用でNO産生を誘導することを証明した(第39回神経学会総会,1998)。また、NF-κBの活性化という点で、スフィンゴミエリン(SM)経路がiNOSの誘導に関与するかを検討した。その結果、C2-セラマイド単独またはIF-γと併用で有意な変動はなかった。しかし、中性スフィンゴミエリナーゼやスフィンゴシンとIF-γとの併用では、NOの産生が認められた。また、Fumonicin-B1による内因性スフィンゴシン増加にて、TNF-αとIF-γ併用、IL-1βとIF-γ併用におけるNO産生は増強された。以上より、iNOSの誘導に、SM経路のうち、スフィンゴシンがIF-γと相乗作用的に関与するものと考えられた。(第40回神経学会総会,1999発表予定)。来年度は、これらの結果を基に、スフィンゴシンやTNF-aやIL-1βによるNF-κBの活性化とトロンビンによるNF-κBの活性化の動態を比較し、NF-κB活性化によるiNOSの誘導調節機構を明らかにし、NF-κBの作用の二面性の機序を明らかにしたい。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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