研究概要 |
相模原在住の8世代に亘るパーキンソニズム家系について遺伝子解析を行っている.現在までに,α-Synuclein,Parkin,Tau,UCH-L1について,相模原家系では報告されている遺伝子変異がないことを示した.本年度は,これら4遺伝子近傍,および家族性パーキンソニズムとして報告されている2p13付近について本家系と連鎖の可能性について検証した.方法はα-Synuclein,Parkin,Tau,UCH-L1と高いlod scoreを示す事が報告されているmicrosatellite marker,および2p13にマップされているmicrosatellite markerにつき,蛍光標識primerをPE-ABI社製Linkage Mapping Kit(ver.2)から選択または合成し,PE-ABI-GeneScan System(377型sequencer)を用いて,パーキンソニズム家系のgenotypingを行った.使用したmicrosatellite markerの数は以下の通りである。αSynuclein(4q21-22):5種,Parkin(6p25):3種.Tau(17q21-22):5種,UCH-L1(4p14):5種、および2p13:11種.解析した人数は患者13人,非/未発症者13人,および非血縁配偶者3人の合計29人である.また,compound heterozygoteの話題がでているため,再度家系調査を行い,自験家系が優性遺伝様式をとることを再確認した.相模原パーキンソニズム家系はこれら5ヵ所の遺伝子領域についてハプロタイプを構築した結果,いずれの遺伝子領域においても発病と関係するハプロタイプは存在しなかった.従って,自験パーキンソニズム家系はこれらとは連鎖しないといえる.現在,全常染色体についてマイクロサテライトマーカーにより原因遺伝子を解析中である。
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