研究概要 |
1. AR-JP(6q)遺伝子(Parkin gene)検索 パーキンソン病患者144例,その他の患者および健常人96例の白血球DNA標本を用い.AR-JP(6q)の責任遺伝子について, SSCP解折および塩基配列決定により変異の検索をおこなった.エクソン3,4,5の一部またはすべてが検出されないものが5例あった.SSCP多型がいくつか確認され,それらの一部ではコードされるアミノ酸の変異が確認された.このうちI272IとQ438Hのheterozygoteは各一例,いずれもPD患者であった.R366Wは若干例でheterozygousに認め,homozygoteの一例はPD患者であった. 2. NACP(α-synuclein)遺伝子検索 全エクソンそれぞれを挟むPCRプライマーを作成し一部の症例でエクソンとその周辺イントロンの塩基配列を決定した.一例でイントロンの3塩基欠失,一部の症例でイントロン3箇所において1塩基置換が確認されたが,いずれもスプライシングに影響をあたえるものではないと判断される.遺伝子多型マーカーとして利用でき,優性遺伝形式をとる家族性パーキンソニズムの家系においてハプロタイプ解析をおこなった.今回調べた2家系では,NACP(α-synuclein)遺伝子との連鎖は否定された. 3. Tau遺伝子検索 Tau遺伝子の15のエクソンについてPCRプライマーを作成し,エクソンとその周辺イントロンの塩基配列を決定した.一部のエクソンおよび,イントロンに遺伝子多型の存在が確認された.特発性パーキンソン病患者において,同遺伝子の変異の検索を開始した.
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