研究概要 |
1) 細胞内cGMP上昇薬物のkanate誘発性のオリゴデンドログリア(オリゴ)の細胞死に対する保護作用 細胞内cGMP上昇薬物の8-bromo-cGMP,abial natriuretic peptideにkianate誘発性の細胞障害に対する抑制効果を見出し、その機序がkianate誘発性のCa^<2+>influxの抑制によることを明らかとした。CG-4 cellにおけるcGMP-dependent protein kinase(PKG)の局在についてRT-PCRとwestem blottingで検討した。その結果、type II isoformのmRNAは発現しているものの、type Iαのtanslationは認められなかった。type Iβのtranslationについては現在検討中である。細胞内cGMPの定量では、sodium niboprusside投与時に細胞内cGMP量の上昇が示されたが、sodium nitroprussideにはkainate誘発性の細胞死に対する抑制効果は見出されなかった。平成11年度は、cAMPおよびcGMP上昇薬物がオリゴの低酸素+低グルコース状態誘発性の細胞死を抑制するかを検討したい。 2) Na^+/Ca^<2+>exchangerを介するオリゴの細胞障害 オリゴにNa^+/Ca^<2+>exchangerが存在するかをRT-PCRで検討した。isoform IおよびIIIのmRNA発現はすでに同定されたが、isoform IIに関しては、現時点で検討中である。次にオリゴにおける機能的なNa^+/Ca^<2+>exchangerの存在はNa^+チャンネルオープナーであるveratridineと、Na^+,K^+-ATPaseの阻害剤であるouabain同時投与で細胞外よりCa^<2+>influxが誘発されること、このCa^<2+>influxはNa^+チャンネル阻害剤であるtetrodotoxinおよびNa^+/Ca^<2+>exchanger阻害剤であるdichlorobenzamilで抑制されるが、Ca^<2+>channel阻害剤のnimodipineでは抑制されなかったことから明らかとなった。次いで、種々のNa^+channel阻害剤、Na^+/Ca^<2+>exchangerの阻害剤について検討した。その結果、Na^+channel阻害剤としての作用を有するtetrodoxin,phenytoin,lidocaine,pilsicainideおよびNa^+/Ca^<2+>exchanger阻害剤のdichlorobenzamilとbezamilに低酸素+低グルコース状態誘発性のオリゴの細胞障害に対する抑制効果が見出された。平成11年度は、kainate誘発性細胞障害時のCa^<2+>influxにおけるNa^+/Ca^<2+>exchangerの関与、cAMPおよびcGMP上昇薬物のNa^+/Ca^<2+>exchangerへの関与について検討の予定である。
|