研究課題/領域番号 |
10670613
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
大西 晃生 産業医科大学, 医学部, 助教授 (50091278)
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研究分担者 |
山本 辰紀 産業医科大学, 医学部, 助手 (10166803)
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キーワード | CMT病 / HNPP / Sourthern blot / FISH / Po遺伝子 / PMP22遺伝子 / Cx32遺伝子 / 腓腹神経 |
研究概要 |
両親がいとこ同士で、腓腹神経に異常髄鞘塊を呈した常染色体劣性遺伝と考えられるCMT病の3歳女児例を検討した。臨床像はCMT1型と同様であった。髄鞘が高頻度に軸索内でなく外側のシュワン細飽原形質内に突出するいわゆるexcessive myelin outfoldingであることを明らかにした。腓腹神経の有髄、無髄線維ともに低値であった。本例のような症例はCMT4Bと呼ばれ発症責任遺伝子は現在不明である。Po遺伝子の異常を示すCMT病として、Po蛋白のArg98His変異を示す5例において、臨床所見、電気生理学的所見、腓腹神経の組織学的所見の特徴を明らかにし論文にまとめつつある。po蛋白の点変異はその細胞膜外に存在するが、電子顕微鏡による腓腹神経の髄鞘では、シュワシ細胞膜のextracellular and cytoplasmic appositionが開大することを明らかにした。一方、臨床的にCMT1または3が疑われ、電気生理学的および腓腹神経の組織学的所児からはCMT1が考えられ、Po遺伝子exon3のnucleotide number499でG→Tの塩基変異を認め、その結果、Po蛋白のVal146Pheの点変異が生じた症例を見出した。PMP22遺伝子異常については、右、ついで左の垂れ足を呈した41歳、男性において、その臨床的特徴からHNPPを疑い、PMP22のdeletionをFISHおよびSourlhern blot法で証明した。家系調査では、発端者の娘の一人が無症状であるが、発端者と同様の遺伝子異常を有しHNPPと診断された。家系調査の重要性が確認された。Dejerine-Sottas病が疑われた19歳、女性においてPMP22遺伝子の変異を明らかにした。Ser149Arg変異がPMP22蛋白に存在すると判断され未だ報告されていない変異である。
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