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1998 年度 実績報告書

GDNF組換えアデノウイルスを用いた運動神経変性疾患の遺伝子治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670616
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

渡部 和彦  東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 副参事研究員 (30240477)

研究分担者 川添 陽子  東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 主事研究員 (60281705)
松本 陽  東京都神経科学総合研究所, 神経病理学研究部門, 副参事研究員 (90173921)
キーワード神経栄養因子 / アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 / 脊髄運動ニューロン / 脊髄損傷 / 成熟ラット / 運動ニューロン疾患 / グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)
研究概要

グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)は,運動ニューロンに対して強力な神経栄養活性を有することから,運動神経損傷や運動ニューロン疾患に対する治療効果が期待されている.本研究では,GDNFの遺伝子導入によるこれら病態の治療の可能性を追究する目的で,GDNF組換えアデノウイルスを作成し,成熟ラットの運動ニューロン損傷モデルに対する治療効果について検討した.ヒト脳・培養アストロサイトよりクローニングしたGDNF cDNAを発現ユニットとして,アデノウイルス・ゲノムからE1A,E1B,E3遺伝子を欠損したウイルスDNAをもつ発現コスミドカセットpAxCAwtに組込んだ.このコスミドカセットDNAと親ウイルスDNAを293細胞にco-transfectし,得られたウイルス液を293細胞で継代し精製ウイルスAxCAhGDNFを得た.運動ニューロン損傷モデルとして,成熟Fisher344雄ラットの右第7頚髄神経節を前・後根を含め引き抜き除去したのち,局所の椎間孔にAxCAhGDNFあるいはPBSを浸したgelfoamを留置した.2-8週後,灌流固定し第7頚髄の凍結連続切片を作成,Nissl染色ののち前角運動ニューロンの数を算定した.PBS投与群では,引き抜き損傷後2-8週で障害側前角運動ニューロンの明瞭な脱落を認めたが,AxCAhGDNF投与群では神経細胞脱落が有意に抑制された.また,AxCAhGDNFの投与により,傷害側前角運動ニューロンにおけるcholine acetyltransferase免疫反応性の低下が抑制された.本研究により,運動神経損傷や運動ニューロン疾患に対するGDNF組換えアデノウイルスを用いた遺伝子治療の有用性が示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 渡部和彦ら: "運動神経損傷モデルに対するGDNF組換えアデノウイルスの保護効果" 神経化学. 37(3). 367 (1998)

  • [文献書誌] 渡部和彦ら: "培養シュワン細胞におけるGDNFファミリー受容体(GFRα1,GFRα2)mRNAの発現調節" Neuropathology. 18(suppl). 228 (1998)

  • [文献書誌] 渡部和彦ら: "運動ニューロン損傷モデルに対するグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)組換えアデノウイルス・ベクターの保護効果" 厚生省特定疾患神経変性疾患調査研究文科会1998年度研究報告書. (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] 小林博司ら: "バキュロウイルスを用いた遺伝子導入-Sly病の遺伝子治療に向けて-" 日本先天代謝異常学会雑誌. 14(2). 164 (1998)

  • [文献書誌] 渡部和彦: "Schwann細胞.生田房弘編,「Glia細胞」" クバプロ(印刷中), 20 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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