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1998 年度 実績報告書

心血管病における血管機能調節異常の成因に関する実験的研究 :膜過分極を介した内皮依存性血管弛緩代償機構の分子生理学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 10670628
研究機関秋田大学

研究代表者

斉藤 崇  秋田大学, 医学部, 講師 (90178484)

研究分担者 長谷川 仁志  秋田大学, 医学部, 助手 (70301059)
鬼平 聡  秋田大学, 医学部, 助手 (80234334)
阿部 豊彦  秋田大学, 医学部, 講師 (30231963)
キーワード内皮由来過分極因子 / 血管リモデリング / カルシウム・活性化カリウムチャンネル
研究概要

1) ラット心筋梗塞モデルおよびNitric Oxide(NO)生成長期抑制モデルにおけるlarge conductance型Ca-activated K channel(BK)のNorthern解析
既に、予備実験より血管平滑筋における過分極弛緩連関の代償性増強現象の存在が示唆されているラット心筋梗塞モデル、およびL-arginine metylester(LNAME)長期投与によるNO生合成長期抑制モデルにおいて、ラットBK channelのmRNAの経時的推移をRT-PCR法にて検索し、いずれもupregulationを示す結果が得られたため、次に本解析の特異性、定量性について確認する目的で、新たにprobeを設計し、RNase protection assay法による確認を行った。その結果、前者ではRT-PCR法同様、梗塞作成後一過性の発現低下の後、約1週間後より逆にupregulationを示すのに対し、後者のモデルでは有意の変化は検出できなかった。これらの事実は、同じようにNOを介した内皮依存性弛緩反応の低下を共通特性とする心血管病態であっても、各病態によりカリウムチャンネル発現からみた過分極弛緩連関の修飾に差異のあることを示唆するものである。
2) ラットintermediate conductance型Ca-activated K channel(ImK)のクローニング
上記の結果から、BKチャンネルとともに内皮依存性血管過分極因子の標的分子として想定されているImKチャンネルの動向が各病態での差を特徴づけることが推測されたため、1997年に発見されたヒトImKチャンネル、1998年に発見されたマウスImKチャンネルのpore regionの塩基配列を参考にprimerを設計し、ラット大動脈平滑筋のcDNAライブラリーよりRT-PCR法によりラットImKチャンネルのクローニングを試みた。その結果、ほぼラットのImKと思われるPCR-productを得ることができた。第4から第6膜貫通部位のsequenceではヒトおよびマウスと塩基配列で88%、95%、アミノ酸配列で各々ほぼ98%の相同性を示した。このチャンネルはラット脳、心、腎、肺、精巣など多くの組織で発現していることを確認するとともに、現在、full sequenceの決定を行っている段階である。また、この決定された部分配列をもとにラット心筋梗塞モデルでのRT-PCRによるNorthern解析を行ったところ、時間経過はほぼ同様であるものの、BKチャンネルよりむしろ顕著なupregulationが観察された。
以上の成果は、平成11年3月27日第63回日本循環器学会学術集会におけるシンポジウム「血管リモデリング-From Cells to Patient-」において発表予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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