1.抗IP_3受容体抗体の作成:受容体C末端から作成し、ウシ大動脈内皮細胞、ラット小脳(膜分画)Western Blotting上single bandを示し、免疫組織学的に明瞭に染めた。 2.抗IP_3受容体抗体の細胞内カルシウム動態([Ca^<2+>]_i)への影響:IP_3受容体(I型)抗体導入により抗体の濃度に依存してATP惹起性[Ca^<2+>]_i上昇反応が阻害阻害された。阻害は上昇反応のinitial peak及びsustained phaseのどちらも完全に抑制し、ヘパリンによっても抑制された。 3.NOS阻害剤1-NMMAの効果:1-NMMAと併用しても、IP_3受容体抗体によるIP_3 induced Ca^<2+> releaseの抑制は完全ではなく、NOがautocrine作用を持つことが改めて、示され、かつ本法により内皮細胞にアゴニスト刺激→シグナル伝達→NOの作用を細胞内カルシウム動態を指標にしながら各ステップ毎に分解しての解析が可能であり、NO・エンドセリンなどの血管作動物質のより詳細なメカニズムの解明に有用であることが確認された。 4.トランスフェクション実験:マーカー遺伝子を血管平滑筋細胞株に導入した結果、liposome法>HVJ-liposome法>plasmid単独の順に導入効率が良いという結果が得られ、liposome法では最大20%の細胞に遺伝子が導入された。本法により現在NOSアンチセンスを単独・共存培養細胞系に導入して刺激に対する[Ca^<2+>]_i反応を検討中である。
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