研究概要 |
N-methyl-1-deoxynojirimycin(NMDN)とα-1,6-glucosidase 活性、glycogen phosphorylase,glycogen,lactate 日本白色種ウサギを用いて、Pentobarbital麻酔、人工呼吸下に左第三肋間から開胸し心臓を露出、左冠動脈前側壁技を結紮することにより、心筋虚血を生ぜしめ、NMDNあるいはsaline投与後のα-1,6-glucosidase,glycogen phosphorylase活性、glycogen,lactate の量を測定した。その結果、α-1,6-glucosidase活性は、虚血10分、30分の時点でNMDNにより有意の抑制が認められた。Glycogen phosphorylase活性は、活性を有するphosphorylase aが、NMDN,saline投与群ともに虚血30分の時点で、非虚血領域に比して虚血領域にて有意の低下を示した。心筋glycogen含有量は、NMDN,saline投与群ともに虚血10分,30分で低下したが、NMDN群においてその低下の程度が抑制された。lactate産生量は、NMDN群にて有意に抑制された。 NMDNとprotein kinase C(PKC) 日本白色種ウサギを用いて、PKC inhibitorのstaurosporine(50μg/kg)をNMDN(100mg/kg)投与10分前に投与した後、30分虚血・48時間後に屠殺し、梗塞サイズを求めた結果、NMDNの梗塞サイズ縮小効果は完全にブロックされた。また、ウサギ摘出灌流心を用いて、NMDN(2 mmol/l)投与により虚血20分、30分の時点で、PKC-εのtranslocationが起こることが分かった。すなわち、NMDNの梗塞サイズ縮小効果にはPKC-εが関与することが示された。
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