研究概要 |
N-methyl-1-deoxynojirimycin(NMDM)とアポトーシス 梗塞サイズ縮小の最終プロセスにアポトーシスが関与するか否かを明らかにするために、日本白色種ウサギにて、pentobarbital麻酔下でNMDN100mg/kg(i.v.,n=10)あるいはsaline(i.v.,n=10)投与30分後に、30分間の虚血後、4時間の再灌流を行い、in situ nick end labeling,DNA ladder,電顕所見からアポトーシスが減少するか否かを検討した結果、心筋梗塞領域におけるTUNEL陽性細胞を定量したところ、control群で10.7±1.9%であったのに対して、NMDM群では3.8±1.5%であり、有意の減少を示した。 NMDMとstunning NMDMが、梗塞のみならずstunningも改善するか否かを明らかにするために、日本白色種ウサギにて、pentobarbital麻酔下でsingle epicardial doppler sensorを装着し、10分間の冠動脈閉塞後再灌流し、stunned myocardiumモデルを作製し、局所心筋収縮能の指標としてpulse doppler dimension systemを用いて局所の収縮末期と拡張末期の壁厚を測定し,局所心筋短縮率(thickning fraction)を求めた。その結果、10分虚血・再灌後の局所心筋短縮率はcontrol群に比して、有意に改善し、このことからNMDMはstunningを改善することが明らかとなった。
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