研究概要 |
1)N-methyl-1-deoxynojirimycin(NMDM)とα-1,6-glucosidase活性、glycogen,lactate ウサギの心筋in vitroモデルにおいて、NMDMは、用量依存性にα-1,6-glucosidase活性を抑制した。ウサギin vivoモデルにおいて、NMDM100mg/kgは、虚血中のphosphorylase活性に影響することなく、α-1,6-glucosidase活性を抑制した。また、心筋glycogenの分解を抑制し、lactateの蓄積を抑制した。 2)NMDMとprotein kinase C NMDM(100mg/kg,i.v.)による梗塞サイズ縮小効果は、protein kinae C inhibitor(50μg/kg,i.v.)のstaurosporineの前処置により完全にブロックされた。また、虚血中、NMDMによりprotein kinase CのsubtypeであるPKC_<-ε>のtranslocationがwestern blotting法により確認された。 3)NMDMとapoptosis ウサギにおいて30分虚血・4時間再灌流の時点における心筋梗塞領域におけるTUNEL陽性細胞を定量したところ、control群で11%であったのに対して、NMDM群では3%であり、有意の減少を示した。 4)NMDMとstunning ウサギモデルにおいて、10分虚血・再灌流後の局所心筋収縮能は、NMDN(100mg/kg)を投与した群ではcontrol群に比して有意に改善したことから、NMDMはstunningを改善することが明らかとなった。
|