研究概要 |
MKの動脈硬化発症への関与の解明ラット内頚動脈バルーン障害モデルにおいて新生内膜に特異的にMKの発現が認められ,平滑筋増殖にMKが関与している可能性があることを当補助金申請時に示した。その後我々は新生内膜形成時でのMKの機能を明らかにするためにMK遺伝子欠損マウス(MK-KO)と野生型マウス(wild)のそれぞれに対し血管狭窄モデルを作製し比較検討を行った。モデル作製後MK-KOの新生内膜形成はほとんど認められず、wildとの差は劇的であった。さらにMK蛋白の浸透圧ポンプによる持続注入によりMK-KOでもwildに近い新生内膜肥厚が認められた。また、MK-KOにおいて炎症性白血球の血管壁への浸潤がwildと比較して著明に抑制されていた.血管平滑筋、及びマクロファージの遊走能の評価をin vitroの実験で行ったがいずれもMK100ngIml添加にて遊走能が約2倍に増加した。 ・.以上よりMKは血管障害により誘導される新生内膜の形成に必須の蛋白であり、その機序・として障害初期からの血管平滑筋、マクロファージの血管壁内への/遊走、さらに中期以降の新生内膜内での平滑筋自己増殖に関与していることが示された。MK,PTNのダブルノックアウトマウスの作製 現在PTNゲノムDNAのエクソンの一部をネオマイシン耐性遺伝子に置き換えたES細,胞由来のキメラマウスが生まれている段階であり、数ケ月後にはPTN遺伝子欠損マウス(PTN-KO)が得られる予定である.今後このPTN-KOについてもMK-KOと同様、多方面からの紐析を行い、さらにMK-KOとの交配によってダブルノックアウトマウスの作製を行う。
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