• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

心不全進展機序におけるテネイシンCの分子機能の解析および治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10670644
研究機関三重大学

研究代表者

吉田 恭子 (今中 恭子)  三重大学, 医学部, 助手 (00242967)

研究分担者 今井 裕  三重大学, 医学部, 助手 (70300944)
原 万理  三重大学, 医学部, 教務職員 (30176383)
坂倉 照好  三重大学, 医学部, 教授 (80073120)
キーワード心疾患 / 細胞外マトリックス / テネイシン
研究概要

テネイシンCの生物作用を直接検討するために,培養系でテネイシンCのリコンビナント蛋白を作用させたところ,1)フィブロネクチンと共同して成熟ラット心筋細胞とラミニンの接着を促進する,2)心筋線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化を促進するという結果が得られた。現在,培養心臓線維芽細胞の増殖,遊走に対する影響について検討している。一方,生体内で心筋組織構築変化におけるテネイシンCの役割を検討するため,左室電気メス障害による心筋梗塞モデルを作成し,特に間質の変化に注目してノックアウトマウスと正常マウスを対比したが,創傷治癒機転は正常に進行し,形態学的に正常マウスとの明らかな差はみられなかった。また,同じファミリーに属するテネイシンXは,心臓に多く発現が見られたが,心筋梗塞モデルラット,マウスにおける発現動態はテネイシンCとは全く異なるうえ,テネイシンCノックアウトマウスでテネイシンCの欠損がテネイシンXによって代償されるという所見も得られなった。現在,電気メス障害(=心筋梗塞)モデルを用い,マトリックス蛋白の定量的変化および,筋線維芽細胞の動態,間質細胞の増殖についてテネイシンCノックアウトおよび正常マウスとの対比を試みている。また,残存心筋の肥大に関しての比較も試みたが,マウス個体の体型により,心筋壊死巣(=梗塞巣)の大きさが異なるため,有意な差を認めるには至っていない。実験個体数をさらにふやして検討中である。また,マウスによる新しい心疾患モデルを確立するため,従来用いられきた A/J系のみならず,C3H系マウスをもちいたmyosin自己免疫性心筋炎モデルの作製に成功し,さらに安定したマウス自己免疫性心筋炎モデル作製を試みている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K,Imanaka-Yoshida.et al.: "N-cadherin is required for the differentiation and initial myofibrillogenesis of chick cardiomyocytes." Cell Motil.Cytoskel.39. 52-62 (1998)

  • [文献書誌] M,Takahashi.et al.: "Microtubules are involved in hypertrophic responses of myocardium during pressure overload." Am.J.Physiol. 275. 341-348 (1998)

  • [文献書誌] H,Tenpaku.et al.: "Terminal warm blood cardioplegia improves cardiac function through microtubule repolymerization." Ann Thorac Surg. 65. 1580-1587 (1998)

  • [文献書誌] M,Takahashi.et al.: "Role of microtubules in the contractile dysfunction of myocytes from tachycardia-induced dilated cardiomyopathy." J.Mol.Cell.Cardiol.30. 1047-1057 (1998)

  • [文献書誌] S,Yamamoto.et al.: "Role of microtubules in the viscoelastic properties of isolated cardiac muscle." J Mol Cell Cardiol. 30. 1841-1853 (1998)

  • [文献書誌] K,Imanaka-Yoshida.et al.: "Vinculin,talin,integrin a6b1 and laminin can serve as components of attachment complex mediating contraction force transmission from cardiomyocytes to extracellular matrix." Cell Motil Cytoskel.42. 1-11 (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi