(1)ヒトMYPT1のゲノム遺伝子のシークエンス解析 平成10年度のスクリーニングによって得られたMYPT1ゲノム遺伝子のシークエンス解析をおこない、508bpのエクソン1とさらにそれより5'側上流の約5kbpの全シークエンスを明らかにした。5'上流領域にはタンパク質結合部位と想定される種々のシスエレメントをみとめ、GC-richで、TATAbox、CCAATboxはなく、転写開始点(+1)上流-58〜-64bpの領域にGGGCGG配列(GCbox)を認め、ヒトMYPT1ゲノム遺伝子はハウスキーピング遺伝子と考えられた。 (2)ヒトMYPT1の転写活性調節機構の解析 前年度に得られたヒトMYPT1ゲノム遺伝子のうち、cap site hunting法にて決定した転写開始点を+1として、その上流領域-1967bpから下流領域+44までの5'上流領域について転写活性領域の検討をおこなった。転写活性領域を同定するためにホタルルシフェラーゼのpGL3レポーター遺伝子に5'端を種々の長さのMYPT1 5'上流領域PCR断片をクローニングし、それぞれのベクターをヒト培養血管平滑筋細胞にトランスフェクションし、そのルシフェラーゼ活性を測定した。その活性の値から、Sp-1結合配列を含む断片-81〜+44はCore promoter領域で、最大のプロモーター活性に必要な配列は-246〜-230までの間にあり約10倍の活性上昇が認められた。
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