研究課題/領域番号 |
10670655
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋川 一雄 大阪大学, 医学部, 講師 (70281128)
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研究分担者 |
山本 晴子 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
清家 裕次郎 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
奥 直彦 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
松本 昌泰 大阪大学, 医学部, 講師 (20192346)
西村 恒彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70237733)
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キーワード | 脳血流 / 脳循環予備能 / SPECT / PET / 脳血管障害 / acetazolamide / misery perfusion |
研究概要 |
慢性期虚血性脳血管障害13例を対象としI-123 IMP split dosc SPECT法およびPET steady state検査を施行し、中大脳動脈(MCA)領域を同側のMCAあるいは内頚動脈の75%以上の狭窄の有無によって、狭窄側(A群)、狭窄対側(NA群)、非狭窄(NP群)に分けて検討した。 SPECTによって求めたacretazolamideによるMCA領域の安静時小脳集積率(RCBF: %)はそれぞれA群、NA群、NP群の順に79.5±7.9(mean±SD)、acetazolamide負荷後の対安静時小脳集積率(DCBF:%)は、86.6±4.0、82.4±7.1.DCBFは106.9.±24.7、86,6±4.0、82.4±7.1、脳血流増加率(PR:%)は33.8±26.4、48.5±25.4、67.0±12.6で、A群においてNP群に対するDCBFとPRの有意な低下(p<0.005)およびNA群に対するDCBFの有意な低下を認めた。PETによって求めた各群のCBFは47:5±17.3、51.8±8.8、47,0±7.7、CMRO2は3.68±0.69、3.74±0.42、3.45±0.63、OEFは47.1±0.26、49.1±5.9、44.6±2.7、CBVは4.18±0.52、3.62±0.42、3.59±0.40で、NP群およびNA群に比較してA群におけるCBVの有意な上昇を認めた。また、CBVとPRの間に負の相関傾向を認めたが、OEFとPRの間には関連を認めなかった。acetazolamideによる増加率はOEFの上昇を認めない軽度の循環不全を評価できる指標であると考えられた。これらの結果は、平成10年度の日本脳卒中学会総会、日本脳循環代謝学会総会にて報告し平成11年6月コペンハーゲンで行われる国際脳循環代謝学会にても報告の予定である。
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