研究課題/領域番号 |
10670655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋川 一雄 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (70281128)
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研究分担者 |
奥 直彦 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 研究生
松本 昌泰 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20192346)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 高血圧 / 脳血流 / 脳循環予備能 / SPECT / PET / 脳血管障害 / acetazolamide / OEF |
研究概要 |
高血圧を有する脳血管障害患者(CVD)において至適血圧を定めるために脳循環動態を評価することがきわめて重要である。これまでPETによる酸素摂取率(OEF)がもっとも信頼できる脳循環パラメータとされてきた。しかし、PETは大規模な設備と労力を必要とする。我々は、より簡便な脳循環予備能測定法としてsplit dose I-123 IMP SPECT法(SPECT)を開発した。本研究は、本法およびPETの各パラメータの比較をすることである。 まず、CVD13例を対象とし、中大脳動脈(MCA)領域を同側のMCAあるいは内頚動脈の75%以上の狭窄の有無によって、狭窄側(A群)、狭窄対側(NA群)、非狭窄(NP群)に分けて検討した。NP群に対してA群におけるPRの有意な低下を認めた。NA群に比較してA群におけるCBVの有意な上昇を認めた。CBVとPRの間に負の相関傾向を認めたが、OEFとPRの間には関連を認めなかった。。 次にCVD20例についてOEF上昇部位をSPECTによって検出可能かどうかを検討した。全対象ではPRとOEFに有意な関係を認めなかった。CBF 30ml/100g/ml以下の症例について、PRが1.1未満と1.1以上の2群間のOEFに有意差を認めなかった。また、OEF 50%以上の上昇群とOEF 50%未満の群においてもPRの有意差を認めなかった。脳卒中再発の危険因子と成り得ると考えられているOEF 60%以上の領域は7領域にとどまり、この領域ではPRの有意な低下、CBFの有意な上昇、CBFとPRの間に負の相関を認めた。 以上より、ACZによる増加率はOEFの上昇を認めない軽度の循環不全を評価できる指標であると考えられた。しかし、SPECTのみでは個々の症例の治療方針決定に十分な確率でOEF上昇を推定することは困難であった。
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