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1998 年度 実績報告書

生体高分子キトサンの血管平滑筋細胞及び内皮細胞機能に対する効果

研究課題

研究課題/領域番号 10670660
研究機関島根医科大学

研究代表者

本田 正明  島根医科大学, 医学部, 助教授 (90127530)

研究分担者 倉持 雄彦  島根医科大学, 医学部, 助手 (20263519)
キーワードキチン-キトサン / 冠動脈平滑筋細胞 / PTCA後再狭窄 / ステント皮膜剤 / 術後癒着防止剤 / 抗動脈硬化剤
研究概要

生体高分子キチン-キトサンはアミノ基を持つ塩基性多糖類で、降圧効果、コレステロール低下作用、抗菌作用等種々の作用を持つことが報告され、実用化されているものもある。本研究ではキチン-キトサン溶液のヒト冠動脈平滑筋細胞の接着、遊走、増殖、及びラット血小板凝集能に対する効果を検討し、PTCA後再狭窄や動脈硬化予防薬としての可能性を検討した。【結果】1)脱アセチル化度80%のキチン-キトサン溶液(KKA)の分子量組成は1000〜100万、ピーク分子量は12,000であった。2)KKA(0.01〜1.0mg/ml)はヒト平滑筋細胞(HCSMC)のthymidine,proline、蛋白合成、遊走を濃度依存性にそれぞれ最大、92%、69%、56%、95%抑制した。また、ADP刺激ラット血小板凝集能も濃度依存性に抑制した。3)脱アセチル化度50%の水溶性キチン-キトサン溶液、及びキトサンオリゴ(キトサンdimer〜hexamerまでの混合物)溶液はHCSMCのthymidine,prolineの取り込みは抑制しなかった。4)ゲル化キチン-キトサン上にHCSMCを培養すると細胞の接着、増殖が著明に抑制された。【結語】脱アセチル化度80%のキチン-キトサン溶液はヒト冠動脈平滑筋細胞の接着、遊走、増殖、蛋白合成を抑制した。粉末化、あるいはゲル化後種々の形状にも型成可能である。KKA溶液は線維芽細胞の増殖抑制作用もあり、PTCA後再狭窄予防薬、あるいは現在使用されているステントの皮膜剤や動脈硬化予防薬として、また術後癒着防止剤などにも応用可能と考えられる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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