研究課題/領域番号 |
10670662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
木村 佳弘 山口大学, 医学部, 教授 (90301308)
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研究分担者 |
山田 康枝 山口大学, 医学部, 助手 (00166737)
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 心筋小胞体 / カルシウムATPase / ホスホランバン / 心不全 / トランスへニックマウス |
研究概要 |
心筋小胞体膜蛋白質ホスホランバン(PLN)がカルシウムATPase(SERCA)の特異的阻害蛋白質であることを利用して心不全モデルマウスを作成するため、まず、両蛋白質間の相互作用部位の同定及び強力なSERCA2a活性抑制作用を有するPLN変異体のスクリーニングを行った。PLN細胞質ドメイン(domain I)及び膜貫通ドメイン(domain II)にSERCAとの相互作用に関わる残基が存在することを既に明らかにしてきたが、domain IIを欠失したキメラPLNはSERCA抑制能を失なうため、domain Iを介する相互作用は直接のSERCA抑制活性を持たない調節的作用と考えられた。しかしながら、domain IとIIの境界領域(domain Ib)の変異体の中に強力なSERCA抑制能を示すものがあり、これらはdomain IIの抑制能増強変異体と異なりPLN多量体の安全性には影響しないため、これら両domainは異なった様式でSERCA活性を抑制していると考えられた。 PLNdomain IIが相互作用を営むSERCAの膜貫通helixの検索を行った結果、SERCAの相互作用部位は6番目の膜貫通helix(M6)に存在する4アミノ酸残基で、それらはM6のCa結合部位の反対側に位置し、SERCA分子の外側に面していることが明らかになった。従って、ホスホランバンはSERCAのM6が形成している溝に位置してSERCAと会合し、直接蛋白質相互作用によってSERCA活性を制御していると考えられる。 以上の検討により得られた機能増強変異体のうち、L37AとI40Aを過剰発現するtransgenic mouseを作成した。これらは、外見上は異常所見を認めなかったが、心肥大および収縮・拡張能の低下を呈し、ストレスにさらされると死亡する個体がみられ、さらに詳細な観察を行っているところである。
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