平成10年度に15頭の雑種成犬に、左室圧測定用カテーテルとペーシング用ワイヤーを右室に植え込み、右室高頻度刺激(240bpm)を行わない犬(4頭)、および刺激1日目(4頭)、1週間目(3頭)、4-7週間目(4頭)の犬のIoproterenolに対する心筋反応性(LV dP/dt)を検討した。その結果、ペーシング1日目よりIsoproterenolに対するLV dP/dtの反応性は進行性に低下した(+4671±242→+1872±149→+1719±137→+1316±89mmHg/sec)。平成11年度はこれらの生理学的変化、すなわちカテコラミンに対する心筋反応性の低下が心筋β受容体細胞内情報伝達系(総β受容体数、高親和性β受容体数、β受容体キナーゼ、Gs蛋白、アデニル酸シクラーゼ活性、リアノジン受容体)のどの因子と最もよく相関するかを検討した。その結果、カテコラミンに対する心筋反応性の低下は高親和性β受容体数と最もよく相関した。
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