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1998 年度 実績報告書

拡張型心筋症における慢性心筋炎の成因論的意義に関する研究:左室縮小形成術時切除心筋における炎症性細胞浸潤、ウイルスゲノム、アポトーシスの解析

研究課題

研究課題/領域番号 10670682
研究機関大阪医科大学

研究代表者

寺崎 文生  大阪医科大学, 医学部, 助手 (20236988)

研究分担者 藤岡 重和  大阪医科大学, 医学部, 助手
河村 慧四郎  大阪医科大学, 医学部, 教授 (00026832)
キーワード拡張型心筋症 / 慢性心筋炎 / パチスタ手術 / 左室部分切除術
研究概要

1. 研究成果:
末期的拡大不全心に対する治療として左室部分切除術(PLV)が日本でも開始された。現在の課題に手術適応基準と予後の検討が挙げられる。本研究ではPLVを施行された拡張型心筋症39例の切除心筋標本を用いて、心筋in situでの免疫組織細胞化学的、ウイルス学的解析を行い、拡張型心筋症における活動性炎症の関与を明らかにし、またそれらと手術予後との関連を比較検討した。その結果、一部の拡張型心筋症において、心筋に高度の炎症性細胞浸潤(活動性心筋炎)やエンテロウイルス(EV)ゲノムが認められ、慢性心筋炎が拡張型心筋症の病因・病態に関与する可能性が示唆された。また、拡張型心筋症における高度の炎症性細胞浸潤やEVゲノムの存在は、PLVに際して早期予後不良の因子になる可能性が示唆された。
2. 今後の展望:
我々は拡張型心筋症患者の切除心筋を多数保有している。これを用いてPCR法によるEVゲノムの検索とサイクルシークエンス法による核酸塩基配列決定を行えば本症のウイルス病因がより明らかになる。さらに、切除心筋in situ hybridizationにおけるEVゲノムの局在と障害心筋細胞および炎症性細胞浸潤との関係を検討することでウイルスによる心筋細胞障害機序が明らかにできる。また、炎症性細胞浸潤の原因としてウイルスゲノムの存在以外にも、広義の自己免疫異常、重症心不全の存在、治療目的でのカテコールアミンの投与など一次的、二次的な種々の要因が推測される。今後、リンパ球サブセット、組織適合抗原、接着分子、サイトカインなどを含む種々の炎症および免疫応答のマーカーを分子生物学的手法などを用いて、より詳細に検討することで、拡張型心筋症の病因・病態がさらに明確になることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fumio Terasaki: "Myocardial inflammatory cell infiltrates in cases of dilated cardiomyopathy : light microscopic,immunohistochemicalandvirological analyses of myocardiumspecimens obtained by partial leftventriculectomy" Jourmal of Cardiac Surgery. (in press). (1999)

  • [文献書誌] 寺崎文生: "拡張型心筋症の心筋における炎症性細胞浸潤に関する研究" 厚生省特定疾患特発性心筋症調査研究班平成9年度報告集. 40-45 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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