研究課題/領域番号 |
10670686
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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研究分担者 |
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
山森 伸二 日本光電工業(株), R&Dセンター, 課長
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キーワード | NADH / 冠微小循環 / 局所血流 / 代謝イメージング / マイクロストレイン / 分子トレーサ / 虚血 |
研究概要 |
前年度に引き続きNADH代謝イメージングの解析とあわせて、血流分布イメージングを行った。 麻酔科医鏡検拍動心(n=5)の左室心表面広範囲にマイクロピペットで歪み計測用微小光マーカー(φ15μm)を五角形状に植え込み、これをhigh-speed CCD生体顕微鏡(200フレーム/秒)を用いて観察した。百μmオーダのミクロの変形は心筋10箇所で(×200)、mmオーダのマクロの変形は5箇所(×50)で観察した。これら各フレームのマーカの座標点変位をaffine線形変換して心周期内歪み波形を解析した。また各歪み波形の分散の程度(SD)よりミクロとマクロの不均一性を比較した。 平均的収縮期歪み波形はミクロとマクロ(各々長径750±102μm、2.2±0.4mm)ともに短縮を示した。マクロではSD=0.018と均一性が高かったのに対して、ミクロでは部分的に短縮と伸展を示す箇所が混在しSD=0.027と不均一性が高かった(ANOVA、p<0.0003)。心筋収縮はmmオーダのマクロの変形では均一であるが、数百μmオーダのミクロの変形では不均一性が顕在化する。最小冠血流調節ユニットサイズの心筋微小領域においては血流分布のみならず心筋変形にも不均一性が存在し、流れと機能のユニット間の関連性が示唆された。
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