研究課題/領域番号 |
10670698
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
細川 眞澄男 北海道大学, 医学部, 教授 (20001901)
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研究分担者 |
小田川 泰久 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (50292024)
崎山 幸雄 北海道大学, 医学部(寄附講座), 教員 (80133734)
守内 哲也 北海道大学, 医学部, 教授 (20174394)
小林 良二 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (30301899)
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キーワード | 自己免疫性大腸症 / AIE-75 / PDZドメイン / 酵母 / Wnt pathway / MCC |
研究概要 |
小児の自己免疫性腸炎(AIE)は、消化管組織を含めた複数の組織に対する自己抗体の出現を特徴とする原因不明の疾患である。我々は、2例のX連鎖性自己免疫性腸炎の患者血清が小腸、膵臓および腎臓で発現している75kDaの抗原と特異的に反応することを見出した。さらに、我々はこの自己抗体を用いて蛋白発現cDNAライブラリーから75kDaの抗原をコードするcDNAをクローニングすることに成功した。このアミノ産配列を解析した結果、この蛋白が3つのPDZドメインを持つことが判明した。この蛋白をbaitとして酵母two-hybrid法でplacenta cDNA libraryからMCC(mutated in colon cancer)癌抑制遺伝子のホモローグMCC-2をクローニングした。さらに、腎臓および大腸のcDNAライブラリーからWnt pathwayのkeyとなる複数の蛋白がクローニングされた(未公表)。そこで、AIE-75発現ベクターを種々の培養細胞株に導入してWnt pathwayに影響を与えるか否かを調べた。その結果、AIE-75を過剰発現させると核内にβ-cateninが増加する現象が観察された。この機序を解析するためにWnt pathwayを酵母内に再構成してAIE-75の機能を解析する実験を行った。その結果、現在知られているWnt pathwayの構成遺伝子だけでは酵母内にWnt pathwayを再構成することはできず、未知の蛋白が必要であることが判明した。そこでこの不完全Wnt pathway再構成酵母の系に酵母内発現cDNAライブラリーを導入してこの分子の単離を開始した。AIE-75はPDZドメインを介して細胞表面レセプターと細胞膜下の情報伝達分子を繋いでいると考えられる。
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