研究課題/領域番号 |
10670703
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
饗場 智 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20261612)
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研究分担者 |
田中 高志 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10292335)
根東 義明 東北大学, 医学部, 講師 (00221250)
永野 千代子 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70261633)
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キーワード | クロライドチャンネル / 尿細管機能障害 / 蛋白尿 |
研究概要 |
1) 特発性尿細管性蛋白尿症患者およびその家族におけるCICN5の遺伝子解析 平成11年2月末現在、当院および関連施設等で発見された特発性尿細管性蛋白尿症患者4名とその家族5名のCLCN5遺伝子の塩基配列を解析中である。これまでのところ、4名の患者の内1例でR347X,兄弟例でW22Gの遺伝子変異がみつかり、もう一例では、7kb以上の遺伝子欠損が示唆されるシークエンス結果が得られている。最後の症例については、ヒトCIC5 cDNA翻訳領域全長をプローブとしたサザンブロット解析を行った結果、当初の予想どおり約7Kbの遺伝子欠損が証明された。来年度は、家族内検索を行う予定である。 2) 患者CIC5蛋白の解析1 まず、ヒト腎臓のcDNAライブラリーからRT-PCR法を用いてヒトCIC5 cDNA翻訳領域全長を増幅し、このPCR産物を発現ベクター(pSPUTK)に挿入した。得られた発現ベクターを用いて、in vitroの転写系でcRNAを合成し、アフリカツメガエル卵母細胞にマイクロインジェクション法でトランスフェクションしCIC5蛋白を発現させた。この卵母細胞のクロライド電流を2本電極電位クランプ法で測定したところ、既報のごとくこのCIC5に特徴的な外向き整流性のクロライド電流が流れることを確認した。これに引き続き、患者でみつかった遺伝子変異R347Xを野生株に導入して、同じくクロライド電流を測定したところ、コントロールとしてH20をトランスフェクションした卵母細胞と同等にまで、クロライド電流が抑制されることを証明した。来年度は、もう一つのW22Gミスセンス変異により野生株でみられるクロライド電流がどのように変化するのかを確認する予定である。
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