研究概要 |
1 幼若ラットの胃粘膜防御機構の発達を検討するために、HClおよびEtOHによる実験潰瘍に対する加齢の影響を検討した。HCl,EtOHともに、生ずる潰瘍の面積は新生仔(1W)で最大、4Wで最小、それ以降は漸増の傾向をしめした。 2 同じ目的で、粘膜防御の中心的役割をはたす、prostaglandinの合成酵素であるcyclooxygenese(COX)のmRNAの発現の加齢による変化を検討した。housekeeping geneであるGAPDHとの比でみると、COX-1には明らかな年齢差が認められず、EtOHに対しては、わずかに増加傾向がみられたが、それにも年齢差はみられなかった。一方COX-2は、新生児期に最も高く、以降漸減の傾向がみられた。また、60%EtOHに対しては、各年齢で、著増したが、この増加も新生仔で最大であった。Endotoxinに対する反応は、現在までの検討では、各年齢で有為ではない。 3 冷凍、解凍したHelicobacterを新生仔ラットの胃内に注入した場合、CLOtestで陽性にでる場合があるが、培養では陰性であった。潰瘍等を作成するか、分離、増殖直後のHelicobactorを使用した検討が必要と考えられる。
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