研究概要 |
1:ヒトFBPase遺伝子の転写制御領域のクローニングとその塩基配列の決定ヒト胎盤からのgenomic DNA libraryより、human FBPase遺伝子プロモーター領域の合成オリゴヌクレオチドをプローブにして、約4kbの転写制御領域をクローニングした。これをpUC118 vectorにサブクローニング後、その塩基配列を決定した。 2:この転写制御領域の0.5kbフラグメントにatRA.,9cRAおよびVD3に応答するシスエレメント配列が存在することを、レポーター遺伝子アッセイシステム(Luciferaseベクター系)にて示した。 3:本領域に存在する一つの応答領域fbp-RARE/VDRE(-340 to -326)が、RARおよびVDR両核内レセプター蛋白による転写誘導に機能するという非常興味深い結果をレポーターアッセイにより明かにすることができた。 4:これらの結果はビタミンD3や活性型レチノイン酸(atRA,9cRA)の脂溶性リガンドが単球系血液細胞におけるヒトFBPase遺伝子発現の重要なモジュレーターであることを示している。 5:FBPase遺伝子の調節領域において、インスリン反応性塩基配列と想定される塩基配列を、atRA,9cRAおよびVD3に応答する塩基配列の近辺に見いだした。レポーター遺伝子アッセイシステムを用いて、現在さらに検討中である。
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