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1999 年度 実績報告書

高発癌を示す遺伝性老化症候群の分子病態、治療法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670719
研究機関岐阜大学

研究代表者

金子 英雄  岐阜大学, 医学部, 助手 (80293554)

研究分担者 深尾 敏幸  岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (70260578)
キーワードBloom症候群 / Ataxia-telangiectasia / 相合作用 / 高発癌 / 免疫不全
研究概要

Bloom症候群(BS),Ataxia-telangiectasia(A-T)はともに早老、高発癌、免疫不全を呈する遺伝性疾患である.病因遺伝子BLM,ATMの機能解析、診断スクリーニングに関して以下の研究をおこない成果を得た.
1,末梢リンパ球におけるATMの誘導:ATMタンパクは無刺激の末梢単核球細胞(PBMCs)にはほとんど発現されていない.PBMCsをPHAで刺激するとATMタンパクが誘導されてくる.この誘導は刺激後3,4日目に最大になった.PHA刺激でmRNAの量やタンパクの安定性には変化がなかったことよりposttranscriptionalな制御によりATMタンパクの増加がおこると考えられる.PHA刺激したPBMCsではradiation照射によるp53の誘導が増強しており、PHAにより増殖している細胞では、ATMタンパクの機能が増加していることを明かにした(Blood 1999).さらに、A-T患者末梢血をmitogenで刺激しwestem blottingをおこなうことで患者スクリーニングへの応用が可能であった.
2,BLMはイムノグロプリンの組み換えには関与しない:BS患者の末梢リンパ球のイムノグロプリンの組み換えは健康人と同様に正しくおこっていた.BSリンパ球ではT cell receptorの異常な組み換えの頻度は増加していた.BLM遺伝子は胸腺、精巣に強く発現されており、BLTのT細胞分化の関与が示唆された(Clin.Exp.Immunol.1999).
3,BLMタンパクの局在:健康人由来EB細胞株を抗BLM抗体で免疫染色すると核内がdot状に染色される.PBMCsをPHAで刺激してもこの核内のdotが認められる.しかし、BS由来のEB細胞株、PHAで刺激したPBMCsではこのdotの形成が認められず、患者スクリーニングに有用と考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kaneko H.: "Expression of BLM gene in human hematopoietic cells."Clin.Exp.Immunol.. 118. 285-289 (1999)

  • [文献書誌] Kaneko H.: "Long-term study of female hyper IgM immunodeficiency."Exp.Clin.Immunogenetics. in press.

  • [文献書誌] Fukao T.: "ATM is upregulated during the mitogenic response in peripheral biood mononuclear cells."Blood. 94. 1998-2006 (1999)

  • [文献書誌] Nakazawa T.: "Cytolytic mechanisms involved in non-MHC-restricted cytotoxicity in Chediak-Higashi syndrome."Clin. Exp. Immunol.. 118. 108-114 (1999)

  • [文献書誌] Matsui E.: "Mutations of the IL-12 receptor β2 chain gene in atopic subjects."Bioch.Bioph.Res.Commun.. 266. 551-555 (1999)

  • [文献書誌] Matui E.: "Reduced IFN-gamma production in response to IL-12 stimulation and/or reduced IL-12 production in atopic patients."Clin.Exp.Allergy. in press.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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