単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を臍帯血リンパ球CD4、CD8リンパ球に感染後アポトーシの有無をアガロース電気泳動、細胞周期解析、TUNEL法によって解析した。臍帯血リンパ球CD4、CD8リンパ球にHSV-1を感染後PHA添加、無添加で3日間培養した。PHAを添加しリンパ球を活性化した場合にのみCD4、CD8リンパ球両者にアポトーシスが検出されたが、PHAを添加しない場合にはアポトーシスは検出されなかった。次にアポトーシスがウイルス感染細胞に誘導されているかを確認する目的でHSV-1に特異的な抗体糖蛋白gD、し初期蛋白ICP-27に対する抗体で染色後細胞周期でアポトーシスの分画、非アポトーシス分画におけるウイルス抗原の発現を検討した。その結果ウイルス抗原はアポトーシス、非アポトーシス細胞両者に検出された。アポトーシスの機序を解明する目的でaniti-Fas抗体、anti-Fas ligand抗体を添加したがアポトーシスは誘導されなかった。以上のことからリンパ球の活性化により臍帯血リンパ球にアポトーシスが誘導されること、ウイルス非感染細胞、感染細胞両者にアポトーシスが誘導されること、アポトーシスにはFas-Fasligand系は関与していないことが明らかになった。
|