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1999 年度 実績報告書

学習障害児の病態解明のための認知神経心理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 10670730
研究機関鳥取大学

研究代表者

小枝 達也  鳥取大学, 教育地域科学部, 教授 (70225390)

研究分担者 前岡 幸憲  鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (30273890)
前垣 義弘  鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (80252849)
キーワード学習障害 / 読字障害 / 機能的MRI / 認知神経心理学 / 発達障害
研究概要

【目的】学習障害の一型である特異的読字障害児に認められる読字障害が、脳の機能障害であることを、機能的MRI検査法を用いて明らかにすることを目的とした。
【対象と方法】対象は特異的読字障害学童4名で、年齢の一致した健常学童4名を対照とした。平仮名14〜15文字の単文を刺激課題、同じ数の無意味図形を非刺激課題として、各々10課題ずつ交互に被験者に提示した。図形は注視させ、単文は黙読とした。MRIはEPI法で水平断にて撮像した。刺激課題と非刺激課題との信号強度変化の差を水平断で撮像された画像に重ね合わせて可視化した。統計的有意水準は、Gaussian Smoothing 処理の後に5%水準とした。画像の処理と統計処理は画像処理ソフト MEDx を使用した。
【結果】健常対照児では、左第2側頭回に脳の活性化が認められた。一部に左中心前回下部にも活性化を認める児があった。特異的読字障害児では、一次視覚野に強い活性化を認める児が2名、左中心前回下部に強い活性化を認める児が2名であった。
【考察】読字障害児では読字課題に際して、健常児と異なった脳部位が活性化されていることが示された。今回の結果からは、後頭葉がより強く関与している場合と左中心前回下部がより強く関与している場合があることが示唆され、同じ読字障害でも、読字という課題を脳内で処理するにはいくつかの認知処理パターンが存在している可能性がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 汐田まどか 小枝達也 他: "学習障害の診断と療育"小児科. 39・8. 921-929 (1998)

  • [文献書誌] 小枝達也 二上哲志: "シンポジウムI.医学は学習障害児をどこまでとらえたか?序論"脳と発達. 31・3. 26-27 (1999)

  • [文献書誌] 小枝達也: "シンポジウムI.医学は学習障害児をどこまでとらえたか?学習障害治療と教育に向けて"脳と発達. 31・3. 59-64 (1999)

  • [文献書誌] 汐田まどか 小枝達也: "小児神経学からみた子どもの精神症状"小児の精神と神経. 39・4. 287-293 (1999)

  • [文献書誌] 小枝達也: "学習障害児の育成上の課題"第25回日本医学会総会会誌. III. 270 (1999)

  • [文献書誌] 小枝達也 寺川志奈子 他: "健学児集団におけるToken test の得点分布についてー学習障害診断のための基礎的検討"脳と発達. 32・1. 25-28 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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