背景:Fontan術後(肝鬱血)の小児において肝機能障害の発現を認めない段階でProtein Cの減少が認められることが知られているが、動物実験モデルでの検証はなされていない。 目的:Okafujiらの報告をもとに、今回我々はPCR用にラットのProtein Cのプライマーを作成した。次にラットの肝鬱血モデルを作成し、Protein CのmRNAレベルでの正常肝と肝鬱血モデルとの変化を見た。 方法および対象:生後6〜7週のラット(Wister)を用いて、1):IVCにカニューレーションしその圧を右房圧と仮定し、水柱圧で測定した。ラットの尾よりルートを確保した。コントロール群はそのままの状態で2時間、肝鬱血モデルとして、右房圧をみながらラットの尾のルートより低分子デキストランを持続点滴しながら急性期の容量負荷モデルを作成した。2):2時間後ラットの肝臓を摘出した。3):摘出した肝臓からRT-PCR法によりβ-actinとProtein CのcDNAのバンドを発現させ、そのゲルをイメージスキャナーで取り込み、蛍光強度を測定した。Protein Cの蛍光強度をβ-actinの蛍光強度で補正し、定量化した。(Protein C・β-actin比×100=%) 結果および結論:Protein C・β-actin比は、コントロールで19.0%、肝鬱血モデルで12.1〜8.8%と低下傾向を示した。容量負荷により作成されたラットの肝鬱血のProtein CのmRNA量は、コントロールと比較して低下傾向を示した。
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