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1998 年度 実績報告書

3群のヒトカリシウイルスに関する疫学的、免疫学的、分子生物学的包括研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670741
研究機関札幌医科大学

研究代表者

中田 修二  札幌医科大学, 医学部, 講師 (70155745)

研究分担者 沼田 和子  札幌医科大学, 医学部, 助手
キーワードヒトカリシウイルス / Norwalk virus群 / Sapporo virus群 / Snow mountain virus群 / 酵素抗体法 / 血清疫学 / 抗原検出 / 日本・東南アジア
研究概要

ヒトカリシウイルス(HuCV;SRSVも同義語)は遺伝子学的に大きく3つの群、genogroup I(GI; NV群)、genogroup II(GII; SMV群)、genogroup III(GIII;SV群)に分類されている。
1984年から1989年にかけて、札幌市と松山市の小児下痢症から採取され、電顕でSRSVが陽性であった糞便155検体をEIA法で検索すると、MXV(GII)は2検体(1.3%)、NV(GI)は1検体(0.6%)、SV(GIII)は18検体(8.0%)のみが陽性であった。1986年以降、小樽市の乳児院で発生した急性胃腸炎の23流行では、MXVによる1流行のみであった。愛知県で1987年から1991年に発生した、主に成人の18流行では、MXVが1流行、NVが3流行にみられた。
一方、日本におけるMXVに対する年齢別抗体保有率は、3歳以降に感染機会が高まり、成人以降の高い抗体保有率から、普遍的な感染症であることが示唆された。東南アジアにおいてもMXVに対する抗体保有率は80%以上と高値であった。高い抗体保有率とくらべて、糞便中の抗原検出率が低い理由としては、RT-PCR法によるウイルス核酸の検出率が高いことから、EIA法の特異性が高すぎることが考えられた。
ケニアの小児期の急性胃腸炎患児の糞便をNV、MXV、SVに対するEIA法で検討すると、陽性率はSVの2.2%が最高でNV、MXVはほとんど検出されなかった。しかし、3群のHuCVに対する年齢別抗体保有率をみると、1歳以降には全ての群に対して感染機会が高まり、日本よりも早期に3群のHuCVに感染することが示唆された。この矛盾の理由は日本と同様のことが考えられる。MXV、SVに対しては12歳以降は80%以上の抗体保有率となるが、NVに対しては1歳以降成人期をとおして60%前後で推移し、その免疫応答の違いが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Honma S: "Epidemiological study of prevalence of genogroup II human calicivirus (Mexico virus) infections in Japan and Southeast Asia determined by enzyme-liked immunosorbent assays." J Clin Microbiol. 36. 2481-2484 (1998)

  • [文献書誌] Nakata S: "Prevalence of human calicivirus infections in Kenya determined by enzyme immunoassays for three genogroups of the virus." J Clin Microbiol. 36. 3160-3163 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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