研究課題/領域番号 |
10670743
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80045682)
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研究分担者 |
鈴木 重雄 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00274960)
鈴木 順造 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20171217)
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キーワード | コクサッキーウイルス / ウイルス性腎炎 / CAR / アデノウイルス / ウイルスレセプター |
研究概要 |
コクサッキーウイルスは細胞膜に存在する、コクサッキーウイルスとアデノウイルス共通レセプター(common coxsakievirus and adenovirus reseptor:CAR)を介して細胞内に移行し、感染することが示されている。今回私達は、マウスの各臓器におけるCAR発現量を検索することにより、ウイルス感染と腎障害のメカニズムについて検討した。 〈方法と目的〉 1.CARの発現量 正常マウスの各臓器におけるCARを、mRNAの発現量から検討し、CARの体内分布を明らかにする。 2.ウイルス性腎炎におけるCAR発現量 コクサッキーウイルスを接種、腎炎を惹起させたマウスにおいて、経時的にCARのmRNA発現量をRNase Protection Assayなどの方法で解析する。 〈結果〉 1.腎、肝、心臓、消化管などでCARのmRNA発現を検討したところ、ほとんどの臓器でmRNAの発現を認めたが、各臓器によりその発現量が異なっていた。消化管および肝では、発現量が多く、臨床上、本ウイルス感染の際に消化器症状を伴うことと一致する結果であった。また、腎でもその発現が認められたことは腎内にウイルスが感染し、腎炎を惹起しうることを裏付けるものと考えた。さらに、CARのmRNA発現細胞を明らかにすべく、現在in situ hybridazationなどで検索中である。 2.既報のごとく、マウスにコクサッキーウイルスを接種することにより、メサンギウム細胞の増殖を伴うIgA腎症類似の腎炎を惹起することが出来る。この腎炎モデルマウスを用い、CAR mRNA発現量の経時的推移を測定し、現在、その結果を評価している段階である。
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