研究概要 |
サイトカインの組み合わせによる臍帯血造血前駆細胞の増幅 免疫磁気ビーズ法で臍帯血から濃縮単離したCD34陽性細胞をin vitroにおいて,種々のサイトカインを加えて培養することにより,その増殖を検討した.造血前駆細胞の増加はCD34陽性細胞数の測定とともにHPP-CFC(コロニーアッセイで直径0.5mm以上の大型のコロニーを形成できる細胞)数で検討した.用いたサイトカインはG-CSF,GM-CSF,IL-3,Erythropoietin,stem cell factor(SCF),Flt-3ligand(FL),Thrombopoietin(TPO),Interleukin-6(IL-6)の組み合わせを検討した.これまでの検討では,SCF,Flt-3,TPO,Il-6の組み合わせが最も効率よく前駆細胞を増加させた.Il-3の添加は抑制的に働いた.これらのサイトカインの組み合わせで,培養後72時間まではCD34陽性細胞を分化させることなく,増加させることが可能であった.72時間以降はCD34陽性細胞は急速に分化を始め,100時間では約半数の細胞がCD34陰性細胞となった.またHPP-CFC数も72時間で最高に達し,以後減少した.
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