研究課題/領域番号 |
10670753
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
水口 雅 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20209753)
|
研究分担者 |
高嶋 幸男 国立精神, 神経センター神経研究所, 部長(研究職) (70038743)
|
キーワード | 結節性硬化症 / hamartin / tuberin / telencephalin / 全前脳症 / 滑脳症 / 皮質下層状ヘテロトピア / doublecortin |
研究概要 |
1) 結節性硬化症1型の原因遺伝子TSC1の産物hamartinに対する合成ペプチド抗体を作製した。Westernブロッティングと免疫染色により、hamartinが正常脳で発現していること、発達とともに著増すること、tuberin(TSC2遺伝子産物)と共存することを証明した。結節性硬化症の脳(皮質結節、巨細胞腫瘍、結節以外の皮質)でhamartinの含量が激減し、腎臓・心臓の過誤腫でhamartin免疫反応性が低下することを観察した。これらの病変ではtuberinとhamartinの両者が同時に発現低下を示すことから、結節性硬化症1型と2型の間の表現形の類似性の分子的背景が明らかとなった。 2) 終脳特異的接着因子telencepahalinのヒト大脳における発達を免疫組織化学的に観察した。また大脳奇形の一種であるholoprosencephalyの皮質においてtelencephalinが異常に早期から、異常な部位に発現すること、とくにglomerular structureと呼ばれる特徴的病変に強く発現することを見いだした。これらの結果より、holoprosencephalyにおける樹状突起発達の異常を示すことができた。 3) X連鎖性皮質下層状ヘテロトピア・滑脳症症候群の原因遺伝子の蛋白産物doublecortinと関連蛋白KIAA0369に対する合成ペプチド抗体を作製した。Westernブロッティングにより、両蛋白がヒト・ラットの胎児脳に豊富に発現する蛋白であること、doublecortinは出生後検出不能となるがKIAA0369は成人期まで少量の発現が続くことを証明した。免疫染色により遊走中の神経細胞が両蛋白を発現していることを示した。
|