研究課題/領域番号 |
10670757
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
粟津 緑 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20129315)
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研究分担者 |
飛騨 麻里子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20276306)
石倉 健司 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30276307)
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キーワード | MAPキナーゼ / 腎 / 発生 / 分化 / ERK / JNK / p38 / MKP-1 |
研究概要 |
【目的】MAPキナーゼ(MAPK)ファミリーのextracellular signal-regulated kinase(ERK)は細胞増殖、分化、c-Jun N-terminal kinase(JNK)、p38 MPK(p38)は増殖抑制、アポトーシス、ストレス応答に関与すると考えられている。MAPKフォスファターゼMKP-1はERK、p38、JNKを不活化し、これらの機能を調節する。私達は、腎発生分化過程のこれらの蛋白の発現、活性化、腎内局在を検討した。 【方法】胎齢18日(E18)、日齢1(N1)、日齢7(N7)、6週齢(A)ラット腎を用い、ウエスタンプロット、免疫組織染色を行った。 【結果】蛋白発現は、ERK;E18>N1>N7>A、JNK;A>N7、p38;E18>N1、MKP-1;E18>N1であった。活性型リン酸化MAPKは蛋白発現と相関していた。また以下の部位に発現がみられた。:ERK;E18では糸球体臓側(P)および壁側上皮細胞(B)、メサンギウム細胞(MC)、尿管芽(UB)、間葉細胞、N1、N7ではP.B.MC、尿細管、移行上皮、AではP、遠位尿細管、集合管、移行上皮、血管内皮細胞、JNK;A.N7の尿細管、p38;E18のP、MC、UB、N1のP、集合管、MKP-1;E18のMC、集合管、UB。 【総括】幼若腎ではERK、p38、MKP-1の発現増加、活性化がみられた。JNKは発達に伴い発現が増加し、p38と異なった機能が推測される。これらの蛋白発現は部位的にも差があり、細胞種により異なる増殖、分化機構が存在すると考えられた。
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