研究概要 |
Paroxysmal kinesigenic choreoathetosis (以下PKCと略す)は運動で誘発される不随意運動で,舞踏病,アテトーゼ,ジストニアを主徴とする。発作間歇期は正常な神経学的所見を呈し突然の運動や,驚愕か誘因となる。本症か良性てんかんを合併する家系が多い事からてんかん説,錐体外路障害説などがあるが病因は未だ不明である。われわれは自験例3世代の常染色体優性遺伝の大家系の患児,両親,祖父母,従兄弟のDNA抽出後遺伝子解析を行ってきた。近年Zepetowskiらは1997年,PKCと乳児けいれんを有する家系を解析し,16p12-p12に連鎖していることを報告した。今回,日本人常染色体優性の5家系,24人の罹患者の遺伝子連鎖解析を行った。D16S420,D16S3133,D16S3068,D16S3131,D16S3100,D16S3093,D16S517,D16S3044,D16S411の9のマイクロサテライトマーカーを用いて解析した。Lod score2.0以上はD16S420(Zmax=2.02,θ=0.07),D16S3133(Zmax=2.41,0=0.00),Dl6S3068(Zmax=2,57,θ=0.06),D16S3131(Zmax=2.26,θ=0.007),D16S3093(Zmax=2.41,θ0.00)が得られた。日本人PKC家系も16番に連鎖していることが強く考えられた。
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