研究概要 |
Paroxysmal kinesigenic choreoathetosis(以下PKCと略す)は突然の運動で誘発される不随運動で,舞踏病,アテトーゼ,ジストニアを主徴とする。われわれは本邦の多施設調査をおこない,100人のPKC患者の臨床像,家系調査を報告した。近年Zepetowskiらは1997年,PKCと乳児けいれんを有する家系を解析し,16p12-q12に連鎖していることを報告した。今回,日本人常染色体優性の8家系,43人の罹患者を含むトータル84人の遺伝子連鎖解析を行った。D16S403,D16S3131,D16S3093,D16S517,D16S3081,D16S3105,D16S3044,D16S3080,D16S411,D16S3136,D16S416,D16S419,D16S415の13のマイクロサテライトマーカーを用いて解析した。2点LODスコアはMINK(FASTLINKソフトウェア)で解析し,マルチポイントLODスコアはVITTESEプログラムで解析した。まずD16S3080で高い2点LODスコア(Zmax=6.94,θ=0.00)が得られた。次にD16S3080近傍のマーカーを調べD16S3081で10.27(θ=.00,p=.7)の最も高い2点LODスコアが得られた。最高のmultipointLODスコアはD16S3080で11.51(p=.8)がえられ,PKCgeneはD16S3093とD16S416の間にあることがわかった。またD16S3093,D16S517,D16s416の3つのクローンを用いたFISH解析により,PKCは16p11.2-q12.1の間にmapすることがわかった。現在この間にあるイオンチャンネルをcandidateとして解析中である。
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