研究課題/領域番号 |
10670771
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岩永 里香子 久留米大学, 医学部, 助手 (20258396)
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研究分担者 |
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (60157237)
古賀 靖敏 久留米大学, 医学部, 講師 (00225400)
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キーワード | MELAS / 血管内皮 / 脳卒中 / eNOS / angiopathy / 遺伝子多型 |
研究概要 |
MELASは、小児期に起こる脳卒中発作を特徴とするミトコンドリアDNA異常症であり、患者では脳および冠動脈など全身の中小動脈平滑筋層および血管内皮細胞に異常ミトコンドリアの増生に起因するangiopathyの存在が報告されている。今回、われわれはMELASを中心としたミトコンドリア遺伝子異常症における分子病態を検討した。遺伝子異常が判明しているMELAS患者(ミトコンドリア脳筋症)の脳卒中発作時、L-arginine投与により症状が軽減し、脳血流の著明な改善がみられ臨床的に著効することを経験し報告中である(submitted)。また、同じMELAS患者で血管内皮機能が正常人の5%以下である事を初めて証明し、報告中である(submitted)。このような患者群における血管障害の系統的な解析は世界でも例がない。本研究では、この治験を踏まえ、血管機能に影響する解析可能な因子を解析し、神経変性の臨床病態に悪影響を及ぼすepi-genetic factor(eNOSを含む)を解析する予定である。神経変性の進行を予防できれば、その治療に関する医療費の抑制につながり、また、年々増加傾向にある虚血性血管障害全般の予防、老化に関する研究に大きく寄与できると考えられる。
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