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1998 年度 実績報告書

後天性結合織疾患におけるコラーゲン3分子間架橋(HHL)形成異常の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 10670778
研究機関群馬大学

研究代表者

石川 治  群馬大学, 医学部, 助教授 (90168188)

キーワードコラーゲン / HHL / 低酸素 / 低栄養
研究概要

結合組織の主構成成分であるコラーゲンの量的ないし質的異常が種々の後天性疾患をもたらす.全身性強皮症(systemic sclerosis,SSc)やケロイドはコラーゲンの過剰沈着が病変の主体である.申請者はSSc患者皮膚ではI型コラーゲンの成熟型3分子間架橋(histidinohydroxylysinonoruleucine,HHL)が増加していることを明らかにし,HHL増加がコラーゲンの分解抵抗性を増すことがコラーゲン過剰沈着のメカニズムの一因であろうと推定した.SSc皮膚では血管傷害による循環障害が組織で生じている.本年度研究では,HHL形成制御機構を解明する第一段階として低酸素(2%O_2),低栄養状態(1%FCS)が正常皮膚由来真皮線維芽細胞のI型コラーゲン,matrixmetalloproteinase-1(MMP),lysyl oxidaseのmRNA発現に与える影響と上記条件下での三次元培養細胞層HHL量を測定した.その結果,1.低酸素状態はI型コラーゲンmRNA発現を明らかに低下させ,MMPmRNA発現は上昇させる傾向にあった.lysyl oxidasemRNA発現には影響を与えなかった.2.低栄養状態はいずれのmRNA発現にも大きな影響を与えなかった.3.低酸素条件下では細胞層コラーゲン量は変化しなかったが,HHL量は著明に減少した.4.各種増殖因子添加によってもlysyl oxidasemRNA発現に変化は認められなかった.
以上の結果から,HHL形成には酸素濃度が重要であることが推定された.臨床的に低酸素,低栄養条件は肉芽形成の乏しい阻血性性皮膚潰瘍の病態にも相当することから,今回の実験結果は阻血性皮膚潰瘍の難治性を説明しうるものと考えた.今後,阻血再灌流の実験系でのこれらの遺伝子発現,HHL形成料を検討する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ishikawa O,Kondo A,Miyachi Y: "Mature type of skin collagen crosslink,histidinohydroxylysinonorleucine,is significantly increased in the skin of systemic sclerosis patients." Arthritis Rheum. 41. 376-377 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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