研究概要 |
1. TIMP-2のアトピー性皮膚炎に対する治療効果の検討 (1) 肉眼的検討. マウスの皮膚病変重症度スコア(1.Hiroshi Matsuda et al:Development of atopic dermatitis-like skin lesion with IgE hyperproduction in NC/Nga mice.International Immunology.9:461-466;1997,2.Leung DYM et al:J Allergy Clin Immunol 85:927,1990の報告から)によって,NCマウスにTIMP-2を28日間連日塗布しその効果を検討したところ,TIMP-2塗布4日目からコントロール群との間に重症度スコアの差が生じ,28日目までその傾向は続いた.12日目には統計上有意差(p<0.05)が認められた. (2) 病理学的検討. 組織学的にもTIMP-2塗布群では肉眼的効果と相応した所見が見られた.すなわちコントロール群に比べて,hyperkeratosis, acanthosis, spongiosisの軽減,真皮の血管周囲小円形細胞浸潤の減少を認めた. 他の検討項目についてもさらにデータを収集中. 2. TIMP-2のアトピー性皮膚炎に対する予防効果の検討. TIMP-2のケラチノサイト増殖効果を利用して,皮膚バリアー能強化をはかり,アトピー性皮膚炎発症の予防を検討した.14日間の塗布でコントロール群と比較し肉眼的,組織学的には差を認めなかったが,TEWL値では明かな差を認めた.現在,塗布の期間,方法を変更しデータ収集中.
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