研究概要 |
材料と方法 正常色素細胞は新生児包皮由来のCryo NHEM-Neo(Clonetics,Sanko-Junnyaku)を用いた。解凍培養後2〜3継代の細胞を実験に供した。培養液は改変MCDB153培地(牛胎児血清、下垂体抽出液、ハイドロコーチゾン、線維芽細胞増殖因子、インスリン、PMA,抗生剤などを含む:Sanko-junnyaku)を用い、95%CO2環境内で培養した。細胞運動能の計測は10%fibronectinをcoatingしたスライドグラス上に細胞を播種し、細胞形態画像を経時的にArgus 20(浜松フォトニクス)に取り込み、次いでコンピュータに転送してNIHimageで解析した。 結果 1. 正常色素細胞のfibronectin上での細胞運動能を細胞播種後、細胞接着が完了した3時間目より経時的に計測した。その結果、細胞播種後8〜10時間で細胞移動能が12〜13μm/hrと高値を示し、9時間で最も高い移動能が得られた。 2. 細胞播種後9時間目の培地にendothelin 1(10^<-12>〜10^<-8>mol)を加え、細胞移動能を観察したところ、endothelin 1の濃度依存性に細胞運動能が抑制された。対象(endothelin 1濃度0)およびendothelin 1濃度10^<-8>molの細胞移動能はそれぞれ13μm/hrおよび7μm/hrであった。 3. endothelin 1(10^<-12>〜10^<-8>mol)の正常色素細胞の形態に及ぼす影響も濃度依存性に変化してみられた。色素細胞の突起数、平均突起長、突起を有する細胞割合ともにendothelin 1濃度上昇とともに大きくなって認められた。 次年度の予定 蛍光抗体法でのFocal adhesion kinaseの表出を計測する。
|