研究概要 |
1. ラテックス患者のin vivo検査 1) 1995年5月から1998年11月までに30例のラテックスアレルギー(LA)を経験した. 2) 患者が使用していたラテックスゴム手袋の抽出液を段階希釈液して施行したプリックテスト,使用テストの結果は臨床症状の重症度と相関性を示した. 3) 30例のうち,述べ7例(5例)がラテックス関連食物(栗4例,バナナ,アボカド,キウイ各1例,に即時型反応を認めたが,すべての症例において,果物のプリックテストは陽性であった. 2. ラテックスアレルギー患者のin vitro検査 1) 特異IgE抗体:CAP-RASTおよびAlaSTATを用いてラテックスとその関連食物を検討した.その結果,これらの値と臨床症状の重症度は相関せず,皮膚テストに及ばなかった.特異IgE抗体間ではラテックスはバナナに高い相関性を示した.食物間では栗とバナナ,トマト,グレープフルーツ,桃;バナナとアボカドなどの相関性がみられた. 2) ELISA法:NAL(non-ammoniated latex),esterase,chytinase/lysozyme,glucanase,heveinの4種を用いて,ELISAを施行した結果,NAL,hevein,esteraseの間に正の相関性を認めた. 3. 検査値相互の関連性 1) 栗の特異IgE抗体値とNAL,hevein,esteraseに相関性を認めた. 2) バナナ,キウイの特異IgE抗体値とheveinに相関性を認めた. 現在,ゴム手袋よりラテックス抗原の抽出を行っており,今後,これらの関連食物抗原との交差部位をinhibitionELISAおよびimmunoblottingを行い同定する予定である.
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