| 研究概要 |
腫瘍細胞の高い糖要求性を利用してグルコースの非生理学的アナログであるFluorine-18-2-deoxy-2-fluoro-D-glucose(FDG)とポジトロンCT(PET)で腫瘍画像を作ることができる。
このFDG-PET腫瘍画像の消化器癌化学療法の分野への応用の基礎的研究として、すでに移植胃癌モデルで抗癌剤投与後のFDG腫瘍集積性は抗癌剤効果を反映して形態学的変化に先行することを報告した。(J Nucl Med,1997.CYRIC Annual 1997,1998.) また投与抗癌剤投与量を変えた時のFDG腫瘍集積性のdose-responseを検討して、抗癌剤低用量で抗癌剤効果予測ができる可能性を示唆する結果が得られており、投稿準備中である。
臨床的には、術後大腸癌腹部リンパ節転移の患者でCTよりFDG-PETが抗癌剤投与中の臨床経過をより的確に反映した症例を経験し報告した。(Clin Nucl Med,1999) また術後食道癌全身転移患者で1年間にわたり全身用PETで抗癌剤治療経過を追えた患者も経験したので投稿準備中である。全身に転移のあることの多い癌化学療法を行う患者には全身用のポジトロンCTは非常に有用であるが、まだ世界的にもこうした症例の集積は少ないので積極的に集めているところである。更に現在PET診断では盲点となっている胃癌を中心とした消化器癌のPET像を集積中で、胃癌症例に関して25例集まったところで結果をまとめる予定である。
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