研究課題/領域番号 |
10670820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉岡 孝志 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90271981)
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研究分担者 |
福田 寛 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30125645)
金丸 龍之介 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70152783)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | Fluorine-18-2-deoxy-2-fluoro-D-glucose(FDG) / ポジトロンCT(PET) / 糖代謝画像 / 癌化学療法 / 消化器癌 |
研究概要 |
腫瘍細胞の高い糖要求性を利用してグルコースの非生理学的アナログであるFluorine-18-2-deoxy-D-glucose(FDG)とポジトロンCT(PET)で腫瘍画像を作ることができる。 このFDG-PET腫瘍画像の消化器癌化学療法の分野への応用の基礎的研究として、ヌードマウス移植可ヒト腫瘍をモデルとして腫瘍のFDG摂取率と組織分化度の関係を検討したところ組織学的分化度の低い腫瘍ほどFDG摂取率が高くその背景にヘキソキナーゼ活性が関係することが分かった。また抗癌剤投与後のFDG腫瘍集積性は抗癌剤効果を反映し形態学的変化に先行して変化すること、抗癌剤を減量したときにも抗癌剤効果を鋭敏に反映することを結果として得られ、FDG-PET腫瘍画像が癌の質的診断や化学療法効果評価へ有用であり事が示唆された。 臨床的には、胃癌患者25例で81%の陽性率を得た。また、膵癌患者でFDG-PET腫瘍画像とは相関しなかったが、消化器癌全体でFDG腫瘍集積性の変化と抗癌剤効果はよく相関している結果を得た。しかしいずれも症例数が少なく症例の集積が必要と考えられた。また、術後大腸癌腹部リンパ節転移患者でCTよりFDG-PETが抗癌剤投与中の臨床経過をより的確に反映した症例を経験し症例報告を行った。術後食道癌縦隔リンパ節・肝転移患者で抗癌剤治療前後をCT含む各種画像診断とFDG-PETで経過観察し、部検所見との対比ができた症例も経験し症例報告した。この症例において、CTでははっきり病変と認識できなかった小病変を全身用FDG-PETで把握できその臨床的変化も正確に反映していたことが部検時の検討から明らかになった。この症例は、全身病変を有することの多い抗癌剤投与対象となる進行癌における治療効果の経過観察に全身用PETが有用である事を示していると考えられた。
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