研究概要 |
放射光による経静脈冠動脈造影は,現行の選択的冠動脈造影に比べ安全かつ簡便に冠状動脈を描出できるため,次世代の検査法として期待される。我々はこの経静脈冠動脈造影の臨床的有用性を確立するために,撮像システムの改良を進め,本造影の症例数を増やして検討することを計画している。 平成10年度は,研究を行う場である高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光施設の都合から放射光を利用できず,臨床応用を実施できなかった。しかし,臨床研究を行うための事務手続きを進め,再開の準備を整えた。また,臨床応用に必要な患者モニタリング用の医療機器を購入するとともに,イヌを用いて実験を行い撮影システムの改良を進めた。したがって,平成11年2月の時点で臨床研究に必要な準備はすべて完了し,平成11年度の春から直ちに研究を実施するできる状況にある。今後は平成12年度までに約50名の患者で造影を行う予定である。 一方,平成10年度はこれまでの研究成果についてまとめ,付記したリストに示すように国内および国外の誌上に発表した。
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