• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

肝細胞増殖因子による放射線肺傷害の抑制作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670829
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 紀夫  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10010050)

研究分担者 中川 恵一  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80188896)
平野 和也  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80251221)
細井 義夫  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50238747)
伊藤 正光  横浜逓信病院, 医師(研究職) (80176362)
キーワード照射後の肺障害 / マクロファージ
研究概要

放射線肺炎は通常照射部位に一致して認められるが、臨床的には照射野外にも放射線肺炎が誘発されることが報告されている。もし、放射線による肺組織の障害そのものだけが放射線肺炎や肺線維症の原因であるとすれば、これは考えられないことである。このことから、単に放射線による直接的肺障害だけでなく、hostの放射線に対する反応が放射線肺炎の発現に関与している可能性が示唆される。また、intercellular adhesion molecule1(ICAM-1)ノックアウトマウスでは、放射線肺炎が起こらないことが報告されている事からも、単に直接的な放射線による肺組織の損傷だけではなく、hostの免疫反応が放射線肺炎の成立に重要と考えられる。肺には肺胞マクロファージが存在し、局所の免疫反応に重要な役割を担っている。そこで、本研究では放射線肺炎に及ぼす(肺胞)マクロファージの影響を検討することを目的として、まずマクロファージが照射によりどのような反応を示すかを検討した。全身性の視点も考慮し、又、マウスを用いる場合、非炎症性のマクロファージを集めることが比較的簡便な腹腔マクロファージを用いて実験を行った。WHT/Htマウスより常在性腹腔マクロファージを採取後培養系に移し、in vitroで照射を行いその後のinterleukin-1β(IL-1β)とinterleukin-6(IL-6)遺伝子の発現に及ぼす放射線の影響を検討した。線量は通常の放射線治療の1回線量にあたる2Gyを用い、照射後5時間までの影響を調べた。その結果、照射の1時間後から2時間後にかけて、IL-1βとIL-6のmRNA量が増加していることが明らかになった。また照射4時間後にはIL-1βとIL-6の発現量は逆に非照射群より低下していることが明らかになった。今後はTNF-α等より組織障害に関与する可能性が高いサイトカインについても検討する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsumoto, Y. et al.: "A gelelectrophoretic analysis for improved sensitivity and specificity of DNA-dependent protein kinase activity"J. Radiat. Res.. 40. 183-196 (1999)

  • [文献書誌] Kang, Y. et al.: "Increased expression after X-irradiation of MUC1 in cultured human colon carcinoma HT-29 cells"Jpn. J. Cancer Res.. (in press). (1999)

  • [文献書誌] Enomoto, A. et al.: "Involvement of SAPK/JNK pathway in X-ray-induced rapid cell death of human T-cell leukemia cell line MOLT-4"Cancer Lett.. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Tomita, M. et al.: "Sensitization by wortmannin of heat or radiation induced cell death in cultured chinese hamster V79 cells"J. Radiat. Res.. (in press). (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi