研究課題/領域番号 |
10670840
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
松本 英樹 福井医科大学, 医学部, 助教授 (40142377)
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研究分担者 |
林 幸子 福井医科大学, 医学部, 助手 (00218570)
加納 永一 福井医科大学, 医学部, 教授 (70065910)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | ヒト神経膠芽腫細胞 / p53 / 誘導型NO合成酵素 / hsp72 / 細胞内シグナル伝達系 / 細胞間シグナル伝達系 / 放射線感受性 / バイスタンダー効果 |
研究概要 |
【目的】 腫瘍組織内外の微小環境変化は集学的癌治療における殺細胞効果に大きく影響することが予想される。ヒト神経膠芽腫細胞及びヒト舌扁平上皮癌細胞を用い、NOラジカルをメディエーターとするp53依存性細胞間シグナル伝達系の存在を培養細胞(in vitro)及びヌードマウス移植腫瘍(in vivo)において明らかにすることを目的とした。 【材料と方法】 (1)細胞:ヒト神経膠芽腫細胞株、A-172、A-172/neo(野生型p53遺伝子保有)及びA-172/mp53、T98G(変異型p53遺伝子保有)、ヒト舌扁平上皮癌細胞株、SAS/neo細胞(野生型p53遺伝子保有)及びSAS/mp53細胞(変異型p53遺伝子保有)を用いた。(2)移植腫瘍:ヒト舌扁平上皮癌細胞株、SAS/neo細胞(野生型p53遺伝子保有)及びSAS/mp53細胞(変異型p53遺伝子保有)をヌードマウス同一固体の両下腿に移植し、直径約4-6mmの時点で実験に用いた。(3)X線照射:1Gy/minの線量率で0〜15Gy細胞または腫瘍に照射した。(4)細胞内タンパク質量の検討:iNOS、hsp72及びp53の細胞内含有量をウェスタンブロット法により定量した。(5)Nitrite濃度の測定:培地のNitrite濃度をSaltzman法により測定した。(6)放射線感受性の測定:コロニー形成法により測定した。(7)腫瘍増殖遅延時間の算定:腫瘍増殖遅延時間を相対腫瘍重量による増殖曲線から算定した。(8)アポトーシスの検出:中性ホルマリン灌流固定/パラフィン包埋組織切片を用いてTUNEL法により検討した。(9)PARP断片化の検出:中性ホルマリン灌流固定/パラフィン包埋組織切片を用いて断片化PARP特異的抗体による免疫組織学的手法により検討した。 【結果】 ヒト神経膠芽腫細胞及びヒト舌扁平上皮癌細胞を用い、NOラジカルを介するp53依存性細胞間シグナル伝達系の存在を培養細胞(in vitro)及びヌードマウス移植腫瘍(in vivo)において明らかにした。 【考察】 NOラジカルを介するp53依存性細胞間シグナル伝達系は、最近注目を集めている放射線誘発バイスタンダー効果の一因である可能性を示唆するものである。
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