研究課題/領域番号 |
10670846
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 哲也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00209561)
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研究分担者 |
小森 優 京都大学, 医学研究科, 講師 (80186824)
高橋 隆 京都大学, 医学研究科, 教授 (40055992)
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キーワード | MRI / 超高速撮影法 / Burst Imaging / 血流 / 運動 |
研究概要 |
我々は新しい超高速MRI撮影法として注目されているBurst imaging法の臨床的な実用化を目標として、従来より研究開発を進めている。本法では、EPIをはじめとした従来の超高速MRI撮影法に比べて信号雑音比が著しく低いことが実用化への大きな問題点となっており、その改善を目指した研究開発を行ってきたが、撮影時間が約0.1秒以内という超高速の撮影法であるにも関わらず、撮影対象の動きの影響を受けやすく、他のMRI撮影法とは異なる性質を持つことが判明した。そこで本研究課頚では、流れや運動に関する実験的検討を行い、運動が本法に対して与える影響のメカニズムを解明する試みを進めている。 二年度にわたる研究期間の初年度である本年度は主として実験的な検討を行い、本法を用いて流体や運動する模型を対象とした撮影を繰り返し、今後の解析の基礎となる実験結果の蓄積に努めた。本年度に行った実験的検討では、本撮影法が撮影対象の動きに対して著しく感受性が高いことを確認し、さらに新しい知見として 1)運動の影響は、運動の方向と撮影の方向に密接な関係があること、 2)スピンの励起、磁気共鳴信号(エコーの発生、信号収集の3つの構成要素から成る撮影プロセスの内、運動の影響はスピンの励起法に関与し、本法では特殊なスピン励起法を用いているため、この運動の影響も本撮影法にユニークなものであること、3)運動が画像に及ぼす影響の発生機序としては、励起の際にスピンが傾斜磁場の中を移動することによって起こるスピンの位相変化によるものと予想されること、の3つの検討結果が得られた。今後、これらの結果に基づいて、数学的解析を進める予定である。
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