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1999 年度 実績報告書

高分解能3次元ポジトロンCTを用いた脳ドパミン系神経伝達機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10670856
研究機関九州大学

研究代表者

桑原 康雄  九州大学, 医学部, 助教授 (30150436)

研究分担者 藤原 雅人  九州大学, 医学部, 助手 (30304794)
吉田 毅  九州大学, 医学部, 助手 (40284509)
佐々木 雅之  九州大学, 医学部, 助手 (40240907)
中川 誠  九州大学, 医学部, 医員
キーワードポジトロンCT / 3Dデータ収集 / 脳変性疾患 / 脳ドパミンD2受容体 / C-11ラクロプライド
研究概要

本年度は新しい3次元PETシステムとC-11ラクロプライドを用い健常者および脳変性疾患患者においてD2受容体を測定した。また、合わせてFDG法により糖代謝率を測定し、D2受容体との関係を検討した。PET装置はSiemens社のECAT EXACT HR+で、断面内および軸方向分解能はそれぞれ3.6mmと4.2mmである。検査はC-11ラクロプライド投与後20分まで2分毎、その後60分まで4分毎に3次元ダイナミック収集を行い、平衡法によりD2受容体結合を評価した。糖代謝率はFDGオートラジオグラフィ法により測定した。健常者9名の検討では加齢とともに年1.4%の割合でD2受容体結合が低下した。パーキンソン病7例、多系統萎縮症5例、進行性核上性麻痺1例、皮質基底核変性症1例、ジストーニア1例の検討では、初期のパーキンソン病患者ではD2受容体結合は正常またはやや増加を示したが、治療期間が長く、L-DOPAに抵抗性を示すものでは、D2受容体結合が低下していた。また、多系統萎縮症の患者では健常者に比べやや低下していた。進行性核上性麻痺の1例でもD2受容体結合は低下していた。しかしながら、パーキンソン病と類似疾患の鑑別は疾患間での重なりが多く、D2受容体測定による鑑別診断は容易でないと考えられた。パーキンソン症候を示す患者10名においてL-DOPAの効果とD2受容体結合および糖代謝率との関係をみたところ、L-DOPAの効果が良好な患者では効果の少ない患者に比べてD2受容体結合が有意に高値であった。また、糖代謝率も高値を示し、D2受容体と糖代謝率がともに保たれていた例ではすべてL-DOPAの効果が良好であった。このことはのD2受容体と糖代謝率同時測定により正確に治療効果を予測できる可能性を示唆するものである。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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