研究分担者 |
佐藤 斉 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (90285057)
阿部 慎司 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (00274978)
西村 克之 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10129158)
関根 紀夫 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (70295434)
藤崎 達也 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (00285058)
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研究概要 |
核子あたり400MeVの炭素イオンビームを用いたラジオグラフィを試み,幾つかの面からその特徴を求め,次の各項の結論をえた。 1)X線フィルムを使用した画像では,従来の放射線に比ベ,密度分解能に優れ,散乱の大きい陽子線では不可能であった人体相当の厚さの内部の僅かな密度差を検出できた。 2)空間分解能は優れているとはいえない。とくに同等の線量での撮影では重粒子線束の制限から空間分布の統計的ゆらぎによる量子モトルの問題が認められた. 3)前項の結論に関連して,通常のX線用増感紙(HR一4)を使用した撮像の画質は粒状性が著明になり,重イオン線量の低減は画質の低下をもたらした. 4)X線用増感紙に代えてイメージングプレートBAS-TR2025を使用し,ラジオグラフィを行った.これは感光膜厚が薄く,重イオンの特性、すなわち高LET粒子に対して、感光膜内での散乱が少なく,5line pairs/mm以上の分解能が得られた. 5)動体撮影を小血管を想定した細管中を流れる液体内の気抱について試みたが,短時間でのイオン粒子線束の制限とそれに起因する空間分解能の不足から有為な画像を得ることは困難であった.またX線用のI.I.では放射線損傷が大きく,使用は困難であった. 6)小動物を含む多くの被写体について,従来の放射線では検出が不可能な構造が認められた。 7)重イオンの残留飛程測定データから重イオンCT画像再構築アルゴリズムを作成した.飛程測定には回転形飛程調整装置(RRS)を作成し,一連の投影像を求めた.これらの投影像の組み合わせから,残留飛程分布を得て,阻止能比の再構築に用いるsinogramを作成した.水槽中に置いた複数の太さの異なるアクリルパイプについて約3度ごとの角度で一連の投影像を取得した.全システムの空間分解能は2mm以内であった.
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